目次最前線でのChatGPT API活用事例自分たちの活動を最前線と呼ぶのは烏滸がましいとは思いつつ、様々なクライアントとPoCやプロダクト開発を行っており、すでに20を超える実績があります。ChatGPTの活用事例はたくさん世に出ていますが、ChatGPT APIの活用事例はそこまで出ていないに思えるので改めて実際の現場感のある事例を紹介したいと思う。活用事例3パターン1. 非構造データの活用 個人的にはChatGPT APIが出てきた時に一番応用範囲が広いと思った活用方法の一つです。自然言語で書かれた文章(ニュース、アンケート等)は、決まったフォーマットでもない限り今までは非常に分析が難しかったのですが、ChatGPT APIを使うことで容易にデータを抽出して構造化データを作ることで分析ができるようになりました。 例えば、自由記述で書かれた求人データから年収や必要なスキル等の情報を抽出し、年収を上げるために必要な要素の分析のお手伝いを実施させていただきました。ChatGPTでも情報抽出はできますが、ChatGPT APIであれば大量のデータを処理することができます。2. エージェントによる作業自動化 スライド作成や調査業務の自動化をエージェントで自動化させてみるPoCを行いました。AIエージェントは実現できれば大きなインパクトはあるものの、AIのコントロールが効かないのでアウトプットの質にがっかりするケースが多いです。 まずは簡単な作業を自動化させることを提案しています。例えば調査業務であれば、ニュース記事をクローリングして、調査対象と思われる記事を内容から特定し、見つかったらSlack通知をする等です。3. 独自データの掛け合わせ3つ目は独自データを掛け合わせて新しい価値を生み出すパターンです。自社にしかないデータや、外部データソースを活用して、ChatGPT単体ではできないような価値を実現させることができます。具体的には、以下のようなことをやっています。自社プロダクトの説明書やQ&Aを読ませて、カスタマーサポートを強化顧客データをベースに営業メールを作成することで、パーソナライズされたメールの作成過去の成功事例をベースとしたアイディア生成Youtubeの配信データを知識DBとして持つAIアバターChatGPT APIを活用をするにあたっての課題実際にやってみないと精度が分からない先ほど、独自データ活用で挙げた例についてもなんとなくできそうということは分かるものの「本当に正しい回答をしてくれるのか」「パーソナライズされたメールで本当にコンバージョンが上がるのか」「生成されるアイディアはどんな質なのか」などはやってみないと効果や精度は分からないものです。実際にやってみるのにコストがかかるしかし、実際にやってみようとすると以下のような背景からそれなりに時間とコストがかかってしまいます。 コスト感と効果の不確実性から予算取りに苦労するケースがあります。項目説明システム構築独自データ活用をするためベクトルDBや検索のためのインフラが必要ChatGPT APIコスト使用量の見通しがつかない、乱用される恐れがあるモニタリングどう使われているか確認するため利用ログを保存するデータベースと表示画面が必要私たちの解決策 弊社では以下の方法で最速1時間程度でPoCを作って効果検証ができる環境を作っています。ChatGPT APIを活用したアプリケーションはアーキテクチャ・機能面で重複するものを多く持っています。それらを共通基盤として集約することで、PoCを作るにあたって新規のインフラや開発を省略することができます。共通基盤の具体的な考え方やアーキテクチャはこちらを参照ください。これにより、例えば独自データ活用は以下のような流れで「とりあえず動くPoC」を作ることができます。データ加工はせずに雑にベクトルDBへデータを追加それをどう活用するかをプロンプトで指定既存のUIを使って表示「とりあえず動くPoC」があるだけでプロダクトイメージが明確になるだけではなく、精度検証や価値検証が実施でき、さらにどこを重点的に改善すべきかの方針を立てることができます。 独自データの持ち方を改善するのであれば、例えばURLやメタデータを一緒に持たせるとか、データの前処理をすることができます。データ加工方法を改善するのであれば、プロンプトエンジニアリングを検討したり、Fine tuningを行うことを考えることができます。 UIについてもチャットbotでやるのか、ユーザ選択式にするのか、それとも裏側でエージェント的に動かして全く意識させないようにするのかなど、取りうる選択肢は多くあります。まとめいかがだったでしょうか?ChatGPT APIを使うことで、実際に今までできなかったようなデータ分析や自動化が実現できています。 「やってみないと精度が分からない問題」がChatGPTを活用した開発では発生するので、いかにスピーディかつ安価に検証可能な環境があるかが重要になります。精度不明のまま開発を推し進めると数ヶ月の時間と数百万・数千万規模のコストをかけて、思ったような成果が得られないことがあり得ます。ぜひまずは弊社にご相談をいただければと思います!