イントロダクション不動産業界では2019年から、国内でも不動産の流通から管理など、AIの幅広い活用がされてきました。現在では生成AIの進化に伴い、より多くの業務・領域での活用が進められています。この記事では、不動産業界で生成AIがどのように活用され、具体的にどんな業務が自動化・効率化をされているのかをご紹介していきます。不動産業界における生成AIの活用事例(国内)査定業務への活用従来の不動産の査定業務では、査定担当者が物件の情報を基に自らの経験とわずかな取引事例を頼りに実施していたため、担当者によって価格にばらつきが出ていました。しかし、AIを活用することで物件の立地・階数・取引履歴などの様々なデータを自動で解析して瞬時に査定価格を算出することが可能になりました。主に国内では三井不動産や住友不動産、東急リバブルなどが実際にAIを活用した査定サービスをリリースしています。物件探しへの活用賃貸管理会社であるハウスコム株式会社がリリースした「Serendipity Living Search」は、賃貸物件を探すユーザーが簡単なアンケートに回答するだけで、その結果に基づいてAIが潜在的にユーザーが求める物件候補を提示します。これまでの物件探しでは、ユーザーが細かな条件の指定・変更をユーザー側で行う必要があり、ユーザー自身が把握している条件範囲でしか探索ができませんでした。「Serendipity Living Search」では、これまでの顧客データからユーザーに近い属性の嗜好性も分析した上で物件を提示するため、予想もしなかった物件に出会うことができます。物件の問い合わせ対応への活用賃貸管理を行うレオパレス21では、入居中の問い合わせ対応にAIチャットボットの「KARAKURI chatbot」を導入し、問い合わせ対応工数を削減しました。「KARAKURI chatbot」は、間違えやすい質問や普段と違う質問を自分で把握する機能を備えているため、問い合わせのデータが蓄積されていくごとに、AIが学習を進めます。不動産業界における生成AIの活用事例(国外)物件のデザイン作成への活用中国の壹仟零壹芸網絡科技有限公司が提供する「ALDGPT」は、これまでの建築物の室外・室内のデザインや装飾データをAIに学習させることで、自然なチャット形式で対話しながら要望に沿った装飾やデザインを自動で生成し、デザイン画像として出力することが可能です。また、このサービスでは「建設」「装飾」「景観」などデザインの種類を選択することで生成結果のクオリティを高めています。住宅の図面検査への活用中国の万翼科技有限公司が提供する「AI審図」は、過去の建設図面や建設欠陥情報、各種設計基準や規制基準データをAIに学習させることで、図面検査の対象となる建設図面をアップロードするだけで、図面上の欠陥を発見し、検査レポートを自動生成することが可能です。「AI審図」は中国の深圳市のほとんどの住宅建設図面の検査レビューに使用され、2023年までに1330の企業と660のプロジェクトで利用された実績があります。まとめこの記事では、不動産業界における生成AIの活用事例をご紹介しました。すでに不動産業では、国内外で物件の設計・査定や、問い合わせ対応など幅広い業務領域で活用が始まっています。株式会社LangCoreでは業界に特化した事例リサーチや生成AIの活用研修に加え、クライアント様の事業内容に合わせてシステム提案から設計・開発まで一気通貫でサポート致します。不動産業界のクライアント様向けの1時間の無料相談をご提供しておりますので、今回の記事で生成AIの活用にご興味を持たれましたら こちらまでお気軽にご連絡ください。